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レッド・ゾーン

真山仁の最新刊『レッド・ゾーン』を読んだ。

ベストセラーとなった『ハゲタカ』のシリーズであり続編である。

『ハゲタカ』に関しては、以前別ブログで書評として取り上げた。私はそこで:

NHKのドラマがその「market economyの本質」部分を大胆にカットし「大衆文学」部分に特化したように、「大衆文学」を大胆にカットし「market economyの本質」部分を中心にシンプルに語る手法を期待したい。

と述べたのだが、今回の『レッド・ゾーン』はまさしく「本質部分」がドスンと当たってくるものであった。「大衆文学」的場面は編集者の懇請があったのかチラ見せサービスでやり過ごしている。前作とは異なり、「本質」を霞ませるようなものでは決して無い(でもamazon.co.jpのレビューをみるとそこが低評価だった様子)。

詳しくは別ブログの方で書評で述べたいと思うけれども(いつかね)、最近のわが国の状況を、「日本人の堆積した慢心」を人間としての「正義」とか「誠実さ」とか「品格」などの喪失であったというような精神論へと完全に流し、かつ、各々が生態系における己の役割を果たさず放棄し、さらに、「自分が生きている間だけ何とかなればいい」と言う「完全逃げ切り体制」が確立されつつある、「超・高齢化」の性質が最も悪い形で現れた社会、と忸怩たる思いを抱きつつも祖国であろうと「無くくなるものは無くなるのだ」と腹を据えて眺める。著者あるいは主人公の鷲津の(多分)そういう心情を深く共有出来るのである。

一言で言えば、悲しい。けれど、まだまだ生きていかなければならない私たちは、どこへでも行ってやる、何人にでもなってやる、どこででも食って行く。これは聞く人が聞けば「非国民」的な「裏切り者」と指弾される程の決意なのかもしれない。しかし、棄国捨郷、それもまた確かな愛国心である。そのことを解する人々にとっては、重いけれども救いとなる一冊だろう。

『レッドゾーン』つながりでNHK土曜ドラマ『遥かなる絆』について。

相変わらず、秀作を飛ばします、土曜ドラマ班!グレゴリー・ウォンもいいし、加藤健一もいいし、浜畑賢吉もいい(主人公の鈴木杏は…)。でもやっぱり、留学生役のフー・ビン(胡兵)が良すぎる・・・胡軍といい、「胡」氏は私と何か因縁があるんでしょうか・・・と言うのはどうでもよくて。

「日中国交回復前の1970年、自力で日本への帰国を果たした残留孤児の父と、その娘の物語」。だけどやはり私はダメです、中国に関してはフェアーになれません。あの独特の空気感溢れる映像にあの独特な音感。ちょい触れただけで涙、ドドーっ

とりあえず原作『あの戦争から遠く離れて~私につながる歴史をたどる旅』と中国の唱歌『植樹歌』、オススメ。

そういうわけで、レッド・ゾーン関連、一生懸命誠実に生きていくっちゃ。負けるもんか。そう拳を握る作品ばかりでございます。

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